「第31回よこはまマリンコンサート」コンサートレポート
未だコロナ禍の終わりが見えない中、昨年に続き7月17日(日)14時より神奈
川県立音楽堂において第31回よこはまマリンコンサートを開催しました。今
回は「北欧・中欧・東欧から不思議の国のファンタジー 〜オオカミなんか怖
くない」と題し、これまでマリンコンサートでテーマにしてこなかった国々の
作品で綴りました。
オープニングは「ホルベルク組曲(グリーグ)」で〈カッコ良く〉スタート。
そしてフィヨルドや、広大な森林や湖が目に浮かんでくるような北欧、中欧の
名曲が続き、初めて聴いた人でも聴き馴染み易く、心地の良い演奏が木のホー
ルに響き渡りました。それはまるで真夏の紅葉坂を登ってきた方々が涼んでい
だけるような北国の音でした。
終盤には、子供も楽しめる企画として「ピーターと狼(プロコフィエフ)」を
上演。名手ばかりのオーケストラの響きに、本当に狼がいると信じて怖がって
いたお子様もいましたが、音楽と語りを思い思いにイメージしていた会場の大
人等は、子供に帰ったような表情でした。(笑)
年始から委員と共に企画を進めてまいりましたが、その後次第にロシアと ウ
クライナの戦争が激化し、このままこのテーマで進めるか再三話し合いました
。ですが「音楽に罪はない」という意見が皆の背中を押して、開催する運びと
なりました。緊張を続けていたこれらの国々を繋いできていたのは音楽文化で
もあることを我々は理解し、珠玉の名曲や隠れた名曲の演奏を紹介し続ける活
動は、微力ながら平和にも繋がる、と私は信じます。
実行委員一同は横浜の音楽文化振興に尽力し、感染症対策を講じながら今回も
臨みました。終演後は、コロナ禍の不安に包まれた気持ちを忘れた喜びに取れ
るような、笑顔と大きな拍手を頂戴し、盛況にて終演しました。
最後になりましたが、今回も後援、ご協力頂いた多くの方々のご支援により公
演することが出来ました。心よりお礼申し上げます。
第31回よこはまマリンコンサート 実行委員長 土屋広次郎