「第5回ピアノライブコンサート」コンサートレポート

第5回ピアノライブコンサート コンサートレポート
2023年10月29日、穏やかな秋の日曜日の午後、港南区民文化センター「ひまわりの郷」ホールにて第5回ピアノライブコンサートが開催されました。

回を重ねる毎に何か新しい試みを取り入れてまいりましたが、今年は第5回という節目でもあり、また横浜音楽文化協会が一般社団法人になりましてから初めてのピアノライブコンサートでもありましたので、今までにない大型編成による室内楽を計画し、会員の皆様のご協力により実現することが出来ました。

フォーレのヴァイオリンとピアノの為のソナタ第一番は、フォーレがピアノと声楽以外の領域に初めて手を染めた第一作目の曲で、その美しい調べと進歩的な構成は当時から高い評価を受けた作品です。
続くラフマニノフの二台ピアノによる組曲第2番は自身の精神的苦境を乗り越えた後、復活の第一作目であり、喜びに満ち溢れた壮大な演奏で第一部を華やかに終了致しました。
第2部ではピアノ独奏でストラビンスキーの‘’ペトルーシュカ‘’からの3つの楽章が披露され、息を飲むような技術にお客様のため息が聞こえるようでした。
最後を飾ったプーランクのピアノと木管五重奏による六重奏曲では、都会風に洗練されたプーランクの独自の世界観、第一次世界大戦から第二次世界大戦までの間のパリの香りを存分に楽しむことができました。同じ六重奏のメンバーによるアンコールのノヴェレッテはしっとりとした美しさで客席を満たし、余韻をもって全プログラムを終了することが出来ました。

今回はフランスとロシアの作曲家が二人ずつ、そしてロマン派後期から近代現代のプログラムとなりましたが、いずれも個性豊かな作品で出演者の力量にも支えられ魅力のある内容となりました。
回答いただいたアンケートによりましても、耳の肥えたお客様からそれぞれの曲に対する豊かな感想がたくさん寄せられました。
また、一般のお客様には馴染みの薄い近代現代音楽の曲に関しましても、新しい体験として強く心に残る多くのお声に接することができましたことを大変嬉しく思っております。

実行委員会はほぼ一年にわたる活動を行っており、各担当の委員が献身的に準備をしております。
今後も様々な楽器とピアノとの共演を充実させることができますよう、音文協の組織力を活かしながら続けて参りたいと思っております。

約200名のお客様をお迎えして、温かい拍手に包まれた秋の午後のひと時でした。
皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

「第5回ピアノライブコンサート」実行委員会 委員長 中村英子

前坂飛鳥(ピアノ)児玉真理(ヴァイオリン)

伊藤慧(ピアノ)古川貴子(ピアノ)

大島美帆子(ピアノ)

堀由紀子(ピアノ)山田恵美子(フルート)徳田振作(オーボエ)山崎泰子(クラリネット)石井淳(ファゴット)森雅彦(ホルン)

第5回ピアノライブコンサート実行委員長 中村英子