コンサートホールと演奏家と指揮者

「第32回よこはまマリンコンサート」コンサートレポート

●「第32回よこはまマリンコンサート」コンサートレポート

実に4年ぶりであった、みなとみらい大ホールにマリンコンサートの音楽として響きが満ちたのは!
2020年には第29回「ベートーヴェン生誕250周年」として第九交響曲の最終楽章を大編成の管弦楽と合唱団で華々しく実施する予定でフライヤーも完成。合唱団員の募集も進んでいたのですが、コロナ騒動の流れに逆らう訳にもいかず、やむなく中止となったのです。そして、横浜みなとみらいホールも大改修工事に入り、昨秋完成。この1998年第7回から2019年第28回まで横浜みなとみらいホールで続いてきた横浜おん・ぶん・きょうスペシャルステージの復活と相成りました。企画としては3年ぶり、実際に開催したのは4年ぶりのみなとみらいホールということでした。

 昨年秋からの企画段階では、パンデミックの行く末に見通しが立たず、ベートーヴェン企画の再現は見通し暗し、ということで見送り。しかし、この人類文明の混沌とした世界に光を与えられるよう本格的な楽曲、名作品を奏でよう、ということになりました。
副題は「今こそ私たちに“音楽の力”を」です。この「私たち」という言葉は、我々人類へのメッセージであることは言うまでもありません。前々日の初練習日に、みなとみらいホールのリハーサル室で感動的なチャイコフスキーの弦楽セレナーデ・ハ長調のメロディーが流れた時には、やっとここまで来たかと感動致しました。
皆の練習も一般社団法人化した本協会の最初の演奏会として熱が入りました。指揮者にも在ハンガリーで御活躍の金井 俊文氏にお願いしました。

 そして、今年は名ピアニスト・作曲家セルゲイ・ラフマニノフの生誕150周年、普段のピアノリサイタルでも中々聴くことの出来ない大作{ピアノ・ソナタ第2番}、それに管弦楽共演では、やはり滅多に聴くことのできないソプラノ歌手との{ヴォカリーズ}。男性オペラ歌手の歌声も楽しめるジュール・マスネのオペラ・アリアや珍しい男性の二重唱によるサン=サーンスのアヴェ・マリアなど。最後は、時空を越えた真の名曲でもあるモーツァルト:交響曲第40番ト短調で締めくくりました。非常に各々の曲がその存在を主張するかのような素晴らしい作品。中味の濃い、これぞクラシックのガラコンサートと言える内容であったと思います。当日は一千名近い聴衆の皆様にご来場頂きました。感謝・深謝です。もっとクラシック音楽を聴いてみたいな、と多くの方に思われたのならば幸いです。そして、コンサートに通ってみたいな? ちょっと自分でも楽器を触れてみようかな? というきっかけにでもして頂きたい。私ども演奏家側も歳を重ねるごとに感じられる音楽の素晴らしさです。

第32回よこはまマリンコンサート実行委員長 北島公彦

演奏家とホール
よこはまマリンアンサンブル
座る演奏家とホール
よこはまマリンアンサンブル
スタンド花と女性
終演後、花の輝きにも勝る水野代表理事の笑顔
男性とグランドピアノ
北島公彦(ピアノ)
男性と女性の演奏家とグランドピアノ
竹村淳(バリトン)谷裕美(ヴァイオリン)山崎泰子(クラリネット)伊坪淑子(ピアノ)
男性の声楽家
倉石真(テノール)伊坪淑子(ピアノ)
男女の演奏家とグランドピアノ
竹村淳(バリトン)倉石真(テノール)谷裕美(ヴァイオリン)山崎泰子(クラリネット)伊坪淑子(ピアノ)
コンサートホールと演奏家と指揮者

よこはまマリンオーケストラ・金井俊文(指揮)

ドレスの女性と演奏家
小田切一恵(ソプラノ)よこはまマリンオーケストラ・金井俊文(指揮)
演奏家と楽器
よこはまマリンオーケストラ・金井俊文(指揮)