「第33回よこはまマリンコンサート」コンサートレポート

「第33回よこはまマリンコンサート」コンサートレポート

今年のプログラムは「溢れる愛を、歌へのせて」と題して、没後100周年となるイタリアの作曲家プッチーニのオペラ・アリア珠玉の名曲や、生誕200周年を迎えるチェコの作曲家スメタナの室内楽作品、それにフランス映画音楽など枠に捉われない幅広いジャンルから選曲致しました。

まず、オープニングはブラームス作曲2つのホルンとハープ伴奏による女声合唱のための4つの歌で、本来ならば今回実行副委員長であった川上 勝功会員の指揮で幕開けの予定でしたが、残念ながらご病気の為この春ご逝去されてしまい叶いませんでした。しかし松村 努氏指揮ヴォーカルアンサンブル・ヴィクトリアの清い響きが会場を癒しの空間に変え、一千名を超える聴衆の心を一つにしたのは素晴らしかったです。ハープの斎藤 葉会員、ホルンの森 雅彦会員、田中 みどりさんのサポートも心強い後押しになりました。

続いてスメタナ作曲ピアノ三重奏曲ト短調より 第三楽章を、ヴァイオリンの物集女 純子会員、チェロの堀 沙也香会員(出演予定の松岡 陽平会員が、前日病気のため急遽出演をお願いした) ピアノの礒部章子会員で、突然のアンサンブルを見事にこなしプロの意地を見せたのは凄いの一言!!

1部の最後は、グノー作曲9つの管楽器のための小交響曲より 第一、二、四楽章を、音文協を支える管楽器奏者を中心に、今までにない独特の音構成でお届けしました。管楽器でしか出せない重厚感と軽妙さが聴く人を魅了しておりました。

2部は、モーツァルト作曲アイネ・クライネ・ナハトムジークを、お馴染みのよこはまマリン弦楽アンサンブル(コンミス:水野 佐知香理事長)のスタンドプレー(チェロを除く全員)で始まり、お馴染みの曲ではありましたが、ライブではの迫力に客席は感動しているようでした。

続いてプッチーニのオペラから「ジャンニ・スキッキ」より 私のお父さん(ソプラノ 中野 亜維里会員)、「ラ・ボエーム」より 私の名はミミ(ソプラノ 悦田 比呂子会員)、同じく「ラ・ボエーム」より 私が街を歩けば(ソプラノ 中野 亜維里会員)、「トスカ」より 歌に生き、恋に生き(ソプラノ 柳澤 涼子副理事長) と云う魅力たっぷりのアリアを、上野 正博氏指揮よこはまマリンオーケストラをバックに、ソプラノ三者三様の歌声で大ホール一杯に響き渡らせていて圧巻でした。拍手も一段と多かったようです。

2部の最後は、丁度この時期、パリオリンピックが同時期に開催されますので、それに因んでフランス映画音楽から「パリの空の下」「白い恋人たち」「シェルブールの雨傘」「愛の讃歌」を上野 正博氏指揮よこはまマリンオーケストラの演奏でお届け致しました。映画音楽をこんなにまとめて演奏するのはマリンコンサートでは初めての試みでしたが、後のアンケートなどで、≪とても感動いたしました、、!!≫などとお褒めの言葉を沢山頂戴し、企画をした実行委員一同胸を撫で下ろしました。もちろん上野氏の指揮、演奏して頂いた音文協のメンバー、ゲストの方のお力だと思いますが、少しでも聴いて頂いた方の胸をくすぐる事が出来て幸せだと思いました。

最後になってしまいましたが、ソフトな語り口調で進行して頂いた元NHKアナウンサーの柿沼 郭氏、 いつもバックアップして頂いている舞台監督の本野 正氏ほかスタッフの方々に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

       

第33回よこはまマリンコンサート実行委員長  島津秀雄