「第6回ピアノライブコンサート」コンサートレポート
2024年10月20日、ようやく秋らしい気候になった穏やかな日曜日の午後、横浜市港南区民文化センター「ひまわりの郷」ホールにて第6回《おん・ぶん・きょう》ピアノライブコンサートを開催いたしました。
この日のコンサートはピアノ独奏によるモーツァルトのソナタ第12番の若々しい演奏で始まりました。続いて円熟期のブラームスが作曲したピアノトリオ第2番がピアノ、ヴァイオリン、チェロによる透明で引き締まった演奏で披露され、前半を終了いたしました。
第二部ではロシア五人組のひとり、ボロディンの歌劇「イーゴリ公」より『ダッタン人の踊り』を二台ピアノの迫力で、オリエンタルの香りを会場に溢れさせました。
最後はフランス近代音楽への橋渡しとも言うべき後期ロマン派の作曲家、ショーソンの『ヴァイオリ
ン、ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール』が重厚且つ華やかに締めくくりました。壮大なスケールの中でフランス的な美しい抒情性と甘美な旋律美を溢れさせているこの名曲を、6人の演奏家が渾身の演奏で歌い上げ、ため息と共に全ステージを終了することができました。
ブラームス以降ロマン派が三曲並びましたが、作曲家の出身がドイツ、ロシア、フランスであり、自国の特徴が存分に発揮された作品であった為、多彩なプログラムとなりました。馴染みの薄い曲もありましたが、初めて聴いたお客様から新鮮な驚きと感動を伝えてくださるお声が数多くあり、アンケートでも選曲に満足されたご意見が聞けて委員会一同大変嬉しく思いました。
同時に出演者の皆さまの精進、当日の集中力、客席を引き寄せる緊張感など全てが結集した素晴らしいコンサートとなりましたことを深く感謝いたします。
今回のコンサートでは四人の新規会員の出演があり、大変喜ばしいことであると共に今後の更なるご活躍を期待しております。
ピアノライブコンサート実行委員会は一年をかけて全ての作業をピアノ会員で受け持ち、手作りの温かさを感じて頂けるよう精進しております。
今後ともピアノ独奏だけでなく音文協の組織を活かして様々な楽器との室内楽にも力を注ぎたいと思っております。
200名を超えるお客様をお迎えしての、素晴らしい秋の午後のひと時となりました。
第6回ピアノライブコンサート実行委員会 委員長 中村英子
モーツァルト作曲:ピアノソナタ 第12番 ヘ長調 K.332/嶋田理子(Pf.)
ブラームス作曲:ピアノトリオ第2番 ハ長調 作品87/斎藤龍(Pf.)荒井章乃(Vn.)堀沙也香(Vc.)
ボロディン作曲:歌劇≪イーゴリ公≫より<ダッタン人の踊り>/木澤可奈(Pf.)鈴木千帆(Pf.)
ショーソン作曲:ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール ニ長調 作品21/水野佐知香(Vn.)白澤暁子(Pf.)物集女純子(Vn.)谷裕美(Vn.)百武由紀(Va.)渡邊方子(Vc.)